■ はじめに
JAFA会員企業である株式会社貼りアップ主催の勉強会において、IKCS株式会社・山中美玲氏より「自動車整備士学校におけるウィンドフィルム法令講習」の先駆的取り組みが紹介されました。
本稿では、若手育成から整備振興会(ベテラン整備士・ディーラー)への展開アイデアとあわせ、国交省から発出された二度にわたる「事務連絡」の背景を正確に読み解く勉強会へと繋げていく今後の構想について、考えをまとめます。

————————————————–
1. 若手整備士への先行教育:整備専門学校での法令講習
————————————————–
現在、自動車専門学校やメーカー系自動車大学校(日産学園、トヨタ系整備学校等)において、将来の2級整備士を目指す学生を対象とした「ウィンドフィルム法令講習」が試験的にスタートしています。

【講習の骨子】
・道路運送車両法第29条および細目告示の正確な条文理解
・可視光線透過率測定器(PT-500等)の実態と適正な測定技術
・現場で多発する誤認・誤解と正しい合否判定基準

【将来世代へ伝える意義】
現場配属前の「整備士の卵」に正しい法令知識を定着させることで、就職後も現場の過剰な独自ルールに流されない判断基準を育み、長期的な視点でのコンプライアンス適正化と業界環境の改善につながることが期待されます。

————————————————–
2. 整備振興会への波及:ディーラー独自内規の是正に向けて
————————————————–
専門学校での育成とあわせ、現役の現場整備士やディーラーサービス部門へのアプローチも重要な視点として挙げられました。
現在、各ディーラー現場では「国の法令・告示」よりも「過剰に保守的な独自社内基準」が優先され、適法に施工されたフィルム車両であっても入庫拒否等が発生し、一般ユーザーに不利益を与えている実態が見受けられます。

【勉強会での提言骨子】
国の基準を満たしている適法施工であるにもかかわらず、社内ルールを理由に過剰な規制を課すことは、ユーザーの選択権を奪い、正規ディーラー自身の信頼を損なうことにつながりかねません。整備振興会の研修現場等を通じて直接この実態を問いかけ、現場から経営・管理層へ「自社の基準を見直すべきではないか」と問題意識を持ち帰らせる契機を作ることが有意義ではないか、との問題意識が共有されました。

————————————————–
3. 国交省事務連絡の歴史的背景と「読み解き」への接続
————————————————–
現場の誤解を解き、ディーラーや整備振興会と対等に議論を進めるための鍵となるのが、国土交通省から出された過去および最新の「事務連絡」の正確な文脈理解です。単なる条文知識にとどまらず、**なぜその通達が出されるに至ったのか**という背景を踏まえた勉強会への発展が模索されています。

● 国交省発出 事務連絡(2013年1月13日)の原点
着色フィルムや施工後測定に関する初期の取り決めや、保安基準第29条の適用実務に関する原点。現場での恣意的な判断を防ぎ、透明性ある基準運用の基礎となった経緯の再確認。

● 国交省発出 事務連絡 ver2(2026年3月13日)の背景と意義
近年の高機能熱遮断フィルムの普及、簡易測定器と法定測定器(PT-500等)の精度差、そして各ディーラーによる過度な独自内規の横行といった市場実態の変化を受け、改めて国交省が示した指針。その真の意図と法的根拠を正確に読み解く重要性。

————————————————–
4. 全国47都道府県・JAFA各支部による連携の可能性
————————————————–
こうした講習活動や事務連絡の読み解き勉強会について、単独企業だけの取り組みにとどめず、JAFAとしても各支部メンバーが手分けして協力・後押ししていける形が取れないか、今後のアイデアとして話し合われました。
会長をはじめ特定メンバーだけでなく、各支部の担当者が地域の整備振興会勉強会へ同行・登壇し、フィルムメーカーとも連携しながら全国47都道府県で足並みを揃えて適正な周知を図る方向性が検討されています。

■ 今後の展望と会員各位へのお願い
一般ユーザーが安心して適法フィルムの恩恵を享受できる環境を築くため、整備業界の「入口(専門学校)」と「現場(振興会・ディーラー)」双方へ働きかけるとともに、国交省事務連絡(2013年/2026年ver2)の正確な読み解きを共有する勉強会の展開は非常に前向きなテーマです。
各支部におかれましても、地域での勉強会開催や同行サポートの可能性について、ぜひ率直なご意見やアイデアをお寄せいただけますと幸いです。

​

JAFA_会報レポート_整備士教育と振興会連携-v3(PDF)